はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと」
今回は、募集テーマのひとつであった「10年で変わったこと・変わらなかったこと」について書いてみたいと思います。
2011年頃からの10年間は、私の人生の中でも、あらゆる意味で一番大きな変化を迎えた10年だったと思えます。
この10年間で、子供の頃からずっと一緒に暮らしてきた父は亡くなり、母は認知症になり次第に在宅介護も限界を迎え、介護施設に入りました。
生まれた時からずっと一緒に暮らしてきた4人家族が、兄と2人になってしまいました。
この10年間で、私の変形性股関節症は進行し、歩行が困難になり、日常生活にかなり支障が出るようになりました。
ここまでの変化を客観的に見てみると、なんだかとても辛いだけの10年といった感じに見えてしまいますね。
たしかに失ったものは多く、辛いことも多かったですが、その分得られたものも多く、今までの人生の中でも、最高に実りの多い10年間だったとも思えます。
それは、今まで見えなかったもの、気づけなかったことに、たくさん気づけたことが大きいです。
私はこれまで、両親を初め、多くの人達によって支えられていたことを、心の底から強く実感できるようになりました。
よく、スポーツ界や様々なオーディションなとで優勝した人が
「これもひとえに、皆様方の支えがあってこその結果です」
と言った発言をしているのをよく耳にしましたが、
本当に、心の底からそう思ってるのかな? なんて、
意地悪な見方をすることもある私でしたが、
支えられていた、という実感がなかった私には、わからなかったのでしょう。
もしかしたら、子供を産み育てる、という経験をしていれば、そのときに気づけたことかもしれないな、と思いました。
母も、父も、親戚のおばさんもおじさんも、近所にいたおじいさんもおばあさんも、友達のお母さんもお父さんも、いろいろな場面で、私を支えてくれていたのですね。
そしてそれに対し決して、恩に着せることもなく、黙って支えてくれていたから、私はそれに気づかず、感謝の気持ちも伝えられないまま、もうこの世にはいなくなってしまった人がたくさんいます。
さらに、この10年間、親の介護や自分の脚の障害を通じて、人の情けが身に染みるような場面も多々経験しました。
親からの愛とか、周囲の人達からの支え、とか、人の情け、とか。
言葉にすると、歯の浮くようなきれい事にしか思えない感じになれりますが、辛い体験を通してそれに気づけたせいか、私にとっては現実味を持って、ずしんと強く濃く、自分の心に浸透してきた感覚があるのです。
この10年間。
目で見える形では失ったものの方が多いけれど、目に見えない部分においては、得られたものはとても大きかったと思えます。