手術しない変形性股関節症と親の介護ブログ

親の介護体験や 変形性股関節症 保存療法への取り組みに関する記録

座っていて突然意識を失った母 迷走神経反射

認知症になった母の介護5年目 2014年3月11日

 

この日、母のことでとてもビックリさせられることが起きました。

 

この頃の母はまだ、短時間であればひとりにしておいても、そんなに危険なことはなかったので、私は洗濯物を干すためにベランダに出ていて、しばらく目を離していました。

 

 

いつものように洗濯物を干し終え、戻ってきてみると、母は椅子に座ってはいたものの、体勢は崩れ目はうつろで、グッタリしていました。

 

私はただただ驚いて、大声で呼びかけましたが反応がありません!

 

 

急いで兄も呼んで、ふたりで母の体をさすったりしながら何度も呼びかけましたが、しばらくは反応もなく、口からはよだれを流し始め、目からは涙も出ていました!

 

こ、、こんなことは初めてです!

 

母はこのまま、死んでしまうのかもしれない!

 

母の死というものを、強烈に予感した初めての体験でした。

 

 

救急車を呼ぼう!

 

そう思っていた矢先に、母は徐々に意識を取り戻しはじめました。

 

その後も、ヒヤヒヤしながら母を見守っていましたが、特に異変は感じられず、いつもの母に戻っていたのです。

 

 

一体、なんだったんだろう??

 

このときは結局、わからないままで終わりました。

 

でも、この4年後に、同じ現象を2回も起こし、2回とも救急搬送されたことにより、最終的に原因は「迷走神経反射」によるものだったとわかりました。

 

血管迷走神経反射というのは、極度の緊張やストレス、不安感などから起こる、血圧や脈拍低下の現象です。

 

血圧が低下し一時的に脳に血液が行き渡らなくなってしまうため、意識を失ってしまうこともあるようです。

 

なので、迷走神経反射による失神が原因であれば、すぐに身体を横に倒して、脳に血液を行き渡らせるようにしてあげると、回復は早いようです。

 

母はこのとき、失神するほどのなんらかの緊張やストレス、不安を感じていたに違いありません。

 

私はこの4年後にその原因を知ってから、一回目に起こしたこの日のことを日記も参考にして、再び考えてみました。

 

この頃の母は、まだまだ私と口喧嘩できる思考レベルはあったので、喧嘩でもしてたかな? とは考えましたが、特に喧嘩したこともなかったようです。

 

それに、喧嘩が原因であれば、喧嘩中に興奮して失神を起こすのではないかな、と。

 

そこで、私なりに出した答えは、

 

母は誰もいない部屋でひとり静かに座っている間に、いろいろなことがわからなくなったり、できなくなっている自分に対し、言いようのない不安や恐怖といった思いが、抑えきれないほどに湧き出てきちゃったんじゃないかな、と。

 

この頃の母は、認知症という言葉にも馴染みがなく、自分がそうであることにも気づいていません。

 

それでも時々、

 

「最近、なんか、頭おかしくなってきちゃったみたい。。。」

 

と、母は私に訴えるようでもあり、独り言のようでもある感じで、時折、小さく口にしていたことは思い出します。

 

 

 

いったい、どうしちゃったんだろう私。。。

 

 

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誰か助けて! 

 

 

そんな言いようのない抱えきれない不安と恐怖に襲われて、母は意識を失ってしまったような気がします。

 

認知症の人には、時には気を失うほどのレベルの、強烈な不安や恐怖があるのだと思います。

 

たぶん、深く物事を考えられなくっている今の母にの中にも、消しようのない不安感が時折顔を出したりしているような気がします。

 

それを消せるのは、やはり他者から与えられる安心感なのかもしれません。

 

この当時の私には、そんな考えは全く浮かびませんでした。

 

  


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