2022年に96歳で亡くなった認知症の母について、思うことの記事です。
母が亡くなって1年以上過ぎました。
この1年間は、介護で大変だった頃の母を思い出すことが多かったのですが、次第に私は母の人生そのものについて考えるようにもなってきました。
母は生まれたときから最も身近な存在で 母のことはなんでも知っていたような気になっていたけれど。
母がまだ若かった頃の写真を見ると、そこには私の知らない母の世界が感じられ 私は改めて 母のことをもっと深く知りたくなりました。
見た目には母は明るく元気で 愛情深い人だったけれど。
ネガティブな感情も強く そのような発言をする事も多かった。
本気なのか冗談半分なのかは結局わからなかったけれど、
母はよく自分のことを
世界一の不幸者
そんなことを口にしていました。
少なくとも幸せな人生だったな~とか 幸せだな~といった言葉は 母からは聞いたことがない。
私の知らない時代の母は戦争も体験しているし 時代的にも苦労は多かったようだけれど、 家庭をもってからの母は 特に大きな苦労をしたとは私には思えない。
なにがそんなに不幸なの?
私も兄も母には何度も聞いたことがあります。
そのたびに母は
あなた達に言ってもわからないよ。
と必ず返されました。
答えられない大人の事情ってやつでもあるんだろーか🤔❔
結局それは語られることもなく、母は認知症になりこの世を去ってしまったけれど。
母のことをこんなにも愛している娘や息子である私達がいても、不幸なの?
過去に何度も聞いてみたときには、
あなた達がいてくれて、よかったよ。
といつも必ず言ってくれた母。
テレビ番組を見て大きな声で笑ったり、明るく陽気な母ではあったけれど。
母の中には、私には理解できない悲しみや不安が ずっとあったようにも感じます。
結局、母が生きている間には、母の悲しみに寄り添ってあげることはできなかった。
・・・と言うより、そもそも理解し寄り添おうと努めたこともなかった。
今ではもう遅いのかもしれないけれど。
母の悲しみを理解し、寄り添ってあげたいという気持ちが。
日に日に膨らんでいる。
母は人生の最後の最期に、なにを感じ なにを想ってこの世を去ったのだろう。